2010年07月28日

家出少女 女王の子・第一部(2)

女王の子・第一部(2)


「泣いてもダメだ、許さん、に、してもことのたんびによく泣くな。」
顔を腫らしたことは一度もない。男がきちんとすんだ後に春作の目の辺りを冷やしている。大事なペットだ。いつも可愛くしておきたい。
「お前はさらわれたんだ。今頃女王は血眼さ。籍だって移っちゃいねえ」
 男はやけくそになって言い放つ。そんなこと春作は気付いている。けれど、僕が逃げたらどうなる?優しい女王は殺されるだろう、見張りが付いてるに決まっている。義理の母、女もこの世界の信用を失うだろう。春作は乱暴に腕で目の辺りをこすった。
「ふひ、ひひ、お優しい王子様。」
 これまであえて感じようとしなかった恥辱、憎しみ、悔恨があふれてくる。あまりに急で隠すことが出来ない。
「下衆野郎っ」
 目をつり上げてぎリリと精一杯男を上目遣いに睨みあげた。この男は、自分がどう思って、結論づけて今まで耐えてきたか分かっていてあえて挑発しているのだ。もう限界だった。
「いい顔だな。それでガン付けているつもりかな?」
 からかうように男は言いやった。その筋の男に通用しなくて当然だった。
バシッ 
ビシッ
バシッ
「・・・・くぅ」
パンッ
顔が熱い。板のような手でぶたれたのだから当然か。春作はまた、いつものように小声であえぎながら男にやりたい放題にされた。何度も強引に達かされて、とうとう気絶した。
 気付くと自分の部屋だった。いつもの通りだ。女が付き添っていた。
「もう大丈夫だよ。奴の顔ごらん。商売になんないようにして置いた。ははは」
 外は明るい、夜通し付いていてくれたらしい。
「ありがと、母さん」
顔がひんやりしている。顔は全然腫れていない。
「ん、どっち?付いてたこと?奴の面・・いや顔?」
「どっちも」
 本心だった。
「んーーーーーもうっ、可愛い、超正直じゃん。」
抱き寄せてぐりぐりしてくる。胸に顔が埋まってすばらしい感触だ。息苦しいけどしばらくそうしていた。
「今日試験日だよ。行けそう?」
「うん。行く。」
 これしきのことで動けないことはもうない。妙だが、この女は味方という気になってくる。自分をさらって、男に売り飛ばしたのはこの女なのだが。下に着替えてから降りると、男がソファで新聞を読んでいた。Tシャツにヴィンテージのジーパン。雰囲気はカリスマ美容師って感じだ。制服を見て顔をしかめた。男前が台無しだ。
「お早う父さん。」
気付かない振りをして食卓に着く。女が素早く用意する。一件フツーのお母さんだ。ちょっとぽっちゃりしたところが何とも言えずあっている。
「馬鹿かお前は。」
男は春作と視線を合わせると、低い声で言った。女が息を飲んで見守る。恐い。が、何かを言わねばなるまい。
「馬鹿はあんただ。」
男はニヤリと笑う。状況が違えば好感度はあがる。なぜ、馬鹿と言われて笑う。
「僕は逃げない。」
クククと声を立てて男は笑う。
 久々に来た春作を皆驚いたように見ていたが、誰も声はかけてこなかった。当然だと春作は思った。最近ずっと来ないと思っていたら、テストの時はきっちり来る。明らかに変だ。この時代、変だと思ったら絶対近づかないのが肝心だ。しかも必ず春作は怪我を負っていた。今日も首にホータイをまいている。出がけにしめられたのだ。もしかしたら男は春作に跡を付けることで安心するのかもしれない。とにかく、変事には近づかない。いつ裏の世界に引き込まれるか分からない。
「楽勝だった。」
 テストは思いの外簡単に感じた。自習をちょこっとやって置いただけなのだが、今まで真面目に毎日通っていたのが馬鹿くさく感じそうだった。
 女が三日家を空けるらしい。ちょっと不安になった。案の条だ。男は飯を食わしてくれなかった。冷蔵庫には何も入っていない。どういうつもりだ。いつものように強姦まがいのことはするくせに、何も原には行っていないので僕は始終ぐったりしている。余計に腹が減る。水ばかり飲んでいたら男のモノをしゃぶらされた。白濁した液がのどに絡んで、気持ち悪かった。いつまでもむせていた。男が呆れたように見下していた。冷酷な笑みが浮かんでいた。
 とうとう二日目の深夜にねを上げた。もう一日耐えることは出来そうになかった。春作は男の下で哀願した。
「お願い、何か、食べさせて。」
 いつものように春作は泣いていた。この行為を喜ぶなんてあり得なかった。男は春作の足の指の間を舐め始めた。
「・・・あっ・・・」
 身体がびくんとはねた。そんな力が残っていたとは。
「お願いっつらいよっもうもたないっ」
 今度はもう片方の足の指の間に舌を入れている。
「・・・・くっ・・・・・」
 男は無表情にあえてしていた。いつもは大人しく取り澄ましている春作を騒がせてみたかった。つまり、大きな声で騒ぐ春作に一応の満足は男はしている。春作は自分のモノに手を伸ばした。
「勝手に達って逃げ出す気か。」
 突然男は起きあがり春作の手をねじりあげた。
「い”っ」
「すっかり淫乱小僧だな春作ちゃん。」
「いやっ、離して・・許して」
「お願いばっかりだな、今日は。」
 呆れたようにそんな言葉を吐き出す男を、春作は心底憎んだ。が、今度は表に出さなかった。男を喜ばすだけなのだ。
だから――「なんでも・・・するからぁっ」とっさの思いつきだった。
 春作は男の上にまたがっていた。
「ぁっはぁ・・・はうぅっ」
 足の付け根の間を男の巨根が出入りする。春作が自分で動くのは初めてだった。こんな事プライドが許さない。あくまで強制されたという題目が必要だ。男はニヤニヤして春作を見つめている。片手で春作の腰を支えている。春作の腕は後ろ手にくくられていた。勝手に達かさないためだろう。
「一口・・・だけでもっ、お願・・・・」
 食うためなら何でも出来そうだった。二日の絶食に水は自由。セックスはかかさないじゃ便通が良すぎてよけに腹が空く。
「さぼるなよ」
 ぶっきらぼうに男は言って春作の腰を乱暴に揺すった。
「はっぐ・・・」
 内壁が強くすれて快感に背が弓なりにそった。軽く春作は目を閉じた。思わず男は見とれていた。美しい少年は見なれていたが、ここまで現実感を持つ奴は初めてだ。大体夢見るようになっちまうものだが、こいつは生きることを前提に抱かれてやがる。
「うっ」
 春作が達ったらしい。男も達っていた。
 
 どういういきさつがあったのかは春作は知らない。男は床屋を売り払い、かなりの額の金を作った。そしてその金の十分の一ほどではあるがかなりの金を女にわたし、高級なマンションに春作を連れて移り住んだ。つまり、完全に春作を自分のモノにしたのだ。
 そこには見るからにやくざな男がいた。
「よう、床屋」
 やくざは気安く声をかけた。
「どうも。」
 元床屋の男は適当に答え、春作をやくざに突きだした。前のめりになった春作をやくざは軽々受け止め膝に乗せた。
「な・・何を・・・・」
 もがく春作の腕を後ろにからめ取り、柔らかい頬にやくざは舌をザリザリはわす。
「ぅっ・・・・」
 春作は頭を振った。
「うっわ、このガキッ、おいおい、ちゃんと調教したのか?」
「インやしてない。」
 男は堂々と言った。
「な・・抱いただけかよ。」
 と、意外にも納得したようにしみじみとやくざはいう。
「そ。そういう系で行こうと思って。イイだろ。素人同然の超美少年。」
ああ、そういうことか、と春作は諦めたようにやくざに身を任せていた。シャツは全開でズボンのチャックも同様に、そして剥き出しと変わらないその肌を、やくざのゴツゴツとした手がゆっくりと、慈しむように撫でている。犬でもなぜるかのように、ゆっくりと、胸の突起にも興味を示さず、それでも執拗にただなぜている。
「お前は、人形か。何か反応したらどうだ。」
 淡々と、しかしすごみを感じさせる声だ。男も、優しげでありながら、奥の方で恐ろしさを感じさせる声ではある。春作にとっては、どちらも気を遠くさせる声であるから同じようなものだ。
「何か、言え。」
 やくざは笑いもせず、無表情に言う。手は、相変わらず春作の肌をじっとりとなぜている。おかしな気分になってきた、と春作は言おうとした。そのときやくざは軽く春作の性器を指で弾いた。
「・・・ぁ・・っ・」
 思わず漏れた声はどこか悲鳴に近かった。
「ほう、女のようだが、何か違う。」
「イイ声だろ。」
 男はにやつきながら見ている。いつもと、同じ笑み。やくざは春作のズボンをはぐと春作のモノをめちゃくちゃにいじりだした。
「やっあ・・・・っぁ・・・あっ・・あぁっ」
 防ごうとした両手はあっさりやくざの左手に掴まって固定されている。
「あっ・・あ・・っ・・いっ・・」
 あえぎと悲鳴がない交ぜになった声はいつもの通り小さい。だがそれは余計やくざをムキにさせた。
「お澄まし坊や。身体は正直だね。イヤらしさが爆発している。」
 抑揚を描いた冷静な声は春作へは余計な刺激になって恥ずかしさを増大させた。
「いや・・やぁ・・・あっ・・あっ・・あうっ」
 やくざはもうすでに春作が一番快感を得る部位を見抜いている。
「年の割に小さいな」
 その声はもう春作には届いていない。ただもう一刻も早く解放されたくて、やくざのなすがままにさせていた。それが、やくざには気に入らない。
「いやぁっ・・・」
 やくざの指が穴に潜っている。
「あっ・・・、やめ・・て」
「意見ばかりだな、感想も言え」
 冗談じゃなかった。イヤなものはイヤなのだ。やめて欲しいのだ。
「指っ・・・、抜いてぇ」
 二本目が入った。しめらせてもいない指だ。内壁がひきつれる。
「・・・っひ・・・つっ・・・」
「おいやめろよ傷は付けるな。」
「分かるものか、穴の写真まで撮ってみせるのか?」
「グレたらどうする」
 やくざは素直に指を、しかし思い切り抜いた。
「あうっ」
 思わず射精していた。
「・・・っぅ」
 涙があふれてきた。やくざは初めて笑った。

『ハル』春作の呼び名だ。そのまんまだった。やくざが客を見つけてきて、男に会わせる。男に認められればハルを抱ける。ハルのふれこみは異質なものだ。育ちが良くて、大人しい。そこまではあまりめずらしくない、が。調教はほとんどされてなくて、客への振る舞いも全然なっちゃいない。触ろうものなら逃げる。話しかければ無視。無理に抱けば始終ないている。が、それがいい、と言う客は意外に多い。遊び慣れた客など、愛想や媚びなどしっかりと仕込まれたまぁまぁ美しい少年に飽きたものなら、狂ったようにこの宣伝に食いつく。何しろハルが犯されて示す媚態は無意識、つまり本物だ。それに、男に喜んで抱かれる少年がいる分けない。客としては嫌われて当然なのだから、ハルの反応は本物。そして何よりも嫌々と仕方なく、それも泣きながら己の下で悶えるハルに客は異様に欲情した。この、人生の狂った可哀想な少年を、今、まさに、支配しているという気になる。聞けば金持ちでおっとりと明るく育って何不自由ない身だったとか。(幾分誇張されている)それがなんでか性奴隷にまで落ちぶれて、今じゃ俺の身体の下。証拠にしくしく泣いている。泣いているが美しい。超の付くような美少年。女のような、ではない。女より美しい。ハルの評判はアッという間に広がった。
 
「ハル何食いたい?」
男が腹へったーと言う顔をして聞く。
「牛にキャビアの乗った奴」
ハルはだるそうに答える。読んでいた本を膝の上まで下ろした。男は四六時中ハルにべったりとくっついている。逃げないようにだ。いらぬ心配だと思う人がいるだろうがそうではない。ハルは頭がいい。週間の読書のせいか知恵も人並み以上にある。ちなみに読書を取り上げたらとも思うだろうが、人間娯楽がないと辛抱もできないもんだ。ハルは使い物にならなくなる。つまり合法的に逃げ出さないよう見張っているのだ。弁護士に、連絡を取られたら、お終いだ。客は一日二人まで。土日はやすみ。特別扱いである。食事も、良いモノを少し食べさせる方針である。そのおかげかハルはますます美しく成長している。十五になっている。普通の男性よりも、筋肉も体毛も薄く、それでいてなまっちろいわけでもなく、それがまだ胸も膨らまない少女を連想させる。が、顔を見ればやっぱり男の子である。すらりと伸びた手足や細長い首は猫を思わせる。まさに、生き人形。
 最近ハルは評判落ちるまでとは言わないが、ただ人形のようなときがあると、ちょっと言いにくそうに客が言う。男は、やばいと思った。元々ハルは健康的な少年だったのだ。それ故嗜虐性を駆り立てられるのだ。それが今ではいつでも鬱々と、けだるそうにしている。色も白くなってきた。ずっとこの一年閉じこめて置いたのだ。場所を変えよう。と、男は決心した。
 そしてアキへ。


posted by 家出少女サオリ at 10:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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